白山に登れなかった男 
 
台風が猛威を振るう約1ヶ月前、我々は、石川県と岐阜県を跨ぐ「白山」に登ろうと計画を立てる。先日の大山登山で、すっかり山に魅了された同志Nからの提案だった。
1日目に石川県側の「白山温泉」近辺で一泊、2日目に登山を開始して山頂近くの山小屋「白山室堂」に一泊。そして最終3日目にご来光を拝み、下山するという余裕のスケジュールで準備を進めていた。
しかし先の台風により、我々の計画は破綻する。

2018年9月6日。台風一過の翌々日、白山を目指して高速道路をひた走る。
「三方五湖」PAで休憩中に入電。-倒木ニヨリ白山登山口ヘノ道路通行止メ-
何かあると予想していた我々、地図を開き目的地を白山から「荒島岳」に変更。
落ち込んだ気分を再び上向かせ、宿泊先へ向かった。
 我々の今後が決まったとも言える、三方五湖PA。
名前の通り付近には5つの湖があり、国定公園に指定されている。
9月7日、朝。激しい雨が、アスファルトを打つ音で目覚める。秋雨前線のもたらす分厚い雨雲が、ここにも届いたようだ。これも、予想できていた。
遂に、登山を断念。周辺の観光を楽しむ事とした。
 宿の部屋より撮影。分厚い雲で、視界が悪い。
宿を後にした我々は、世界遺産「白川郷」へ続く「白山白川郷ホワイトロード」に乗る。
昭和52年に開通した有料道路であり、夜間・冬季は通行止めになる。様々な制約の掛かる道路だが、数多くの滝、ブナの樹海など素晴らしい眺望に事欠かない。
晴れていれば、白山山頂を含む山々を拝むことができたそうだ。そう、晴れていれば。
 

左:道路すぐ横を流れる「ふくべの大滝」。しぶきが道路まで届いていた。
右:その名も「白山展望台」。無論見えない。

ホワイトロードを抜けると、いよいよ白川郷だ。「合掌造り」の家屋として、「五箇山」と共にユネスコの世界遺産に登録されている集落である。
平日とあってか、海外からの観光客が非常に多い。飛び交う異国の言葉に、ここが日本である事を忘れそうになる。
 筆者が数年前に訪れた時と比べ、一部施設が新しくなっていた。
雨に濡れた白川郷観光を終え、再びドライブ。
北に進路をとり、石川県は金沢市へ。
金沢城、兼六園を散策。筆者は歴史に疎いが、故に興味を持てる箇所も多々あった。
城により、その構造が異なるのは面白い。建てる人間の心理・戦術の違い故産まれる形。
知ることもそうだが、当時に想いを馳せてみるのも、歴史の楽しみ方ではないだろうか。
 左:金沢城 五十間長屋 右:兼六園 根上松
9月8日。昨晩、激しさを増した雨は落ち着き、灰色の雲にも明るみが見られる。
最終日。南下しつつ観光を続ける。

東尋坊。山男が海を眺めに来るという、少しミスマッチな感覚。
波や風に削られた岸壁…非常に登りやすそうだった。
 2時間ドラマをよく見ていた筆者、遂にエピローグの地を踏む。
 福井県入りし、曹洞宗の大本山である「永平寺」へ。雨降る寺、という情景もなかなか良いものだと思えた。
参拝順路をたどる中、近くに住む生徒たちだろうか、書道の作品が飾られていた。小学校1年生から、高校3年生まで、筆者の字は誰にも及びそうにない。
   
 平寺を参拝する同志N。時間があれば、ゆっくりと参拝したかった…。
 最後の観光、「福井県立恐竜博物館」。太古に生息していたとされる恐竜とあって、小さな子を伴い訪れている家族が多かった。果たして、本当に行きたかったのは子供か父親か。
化石発掘チームが使用していた道具も展示されていた。その中には小さな手帳があり、事細かにメモを取ってあったのが印象的であった。
 人気あるものは、やはり大型の恐竜。骨格の再現にも、かなり力が入っている。
そんな中、筆者のお気に入りが右写真の鎧竜。
 観光を終え、帰路に着く。白山への挑戦断念は辛いものであったが、見聞を広めることができ、満たされた3日間となった。
いずれ、白山・荒島岳に再挑戦できたら、「登ることができた男」として筆を取ろう。


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